外出先の書店の店頭でユニクロを連想させる表紙が目に止まり、冒頭の数ページを読んで購入。
書籍のタイトルにある「シンプル族」とは、「モノを買わない消費者」を指しているらしい。
著者は冒頭で「なぜシンプル族は物を買わないのか」について、いくつか理由を挙げている。
理由1 すでに生活が豊かであり、物が豊富にあるので、急いで買う必要がない。
理由2 所得が低下しているので、物を買いたくても買えない。
理由3 将来に不安があるので、貯蓄に励み、物を買わない。
理由4 所得が低いから結婚できず、子供を産まず、家も買わないので、消費全体が減少する。
理由5 インターネットが発達したので、情報だけで満足するようになり、物は買わなくなった(出かけなくなった、旅行に行かなくなった)。
理由6 環境意識が強まったので、無駄な消費をしなくなった。物を買うことに罪悪感すら感じることが増えた。
理由7 社会意識が強まったので、消費よりも他にするべきことに目覚めた。
また、シンプル族の生活原理として、以下の3つを挙げている。
1.物をあまり消費しない。ためない
物をあまり買わない。借りた物、もらった物。拾った物などで済ませることも多い。
不要な物を買うことに罪悪感がある。使わない物をため込むのはもったいないと考える。
好きな物だけ部屋に置き、あとは物を買わない。
もらわないようにしている。
不要な物を捨てることに罪悪感がある。
共有で済む物は共有する。2.手仕事を重んじる
自分で手仕事をしたり、物を手作りしたりすることを好む。既製品を買うだけより、自分で手を加えたい、改造したい、自分が関与したいと思う。
必然的に地場産業の職人の作った物に魅力を感じる。3.基本的な生活を愛する。
暮らしの基本である衣食住をおろそかにしない。電気製品、冷凍食品など便利な物に依存せず、昔ながらの方法で生活し、大事に物の手入れをする。
本書は統計データやインタビューなどを中心に、シンプル族の傾向や志向性、実態を解説をしている。
読了して思ったのは、シンプル族に共感できる部分が意外に多かったこと。
私自身は20代の頃からユニクロや無印良品を好んで利用してきたけれど、本書で述べられているシンプル族のように意識的に利用するようになったのは、30代になってからである。きっかけとなったのは、引越し。
私はシンプル族のようなエコ志向とは言えないけれど、できるだけ余計なモノを部屋の中に置きたくないと常々考えている。
そのため、自然に「長く使っても飽きのこないモノ」、「シンプルなモノ」を選ぶようになり、自然に無印良品やユニクロへ行き着いた。
「飽きのこないモノ」とは、大抵「シンプルなモノ」であり、大抵「洗練されているモノ」ともいえる。そしてそれらのモノには、あまり余計なものは付いていない。
また、私が無印良品やユニクロを気に入っている点として、どこに外出しても大抵は店舗があって、一部の季節ものや企画ものを除いて、同じ商品が手に入りやすいというのがある。つまり、いつでもどこでも安くて良いモノが買えるという安心感である。
また、シンプル族には共通して毎日を大切に丁寧に生きている人が多い。
自分も毎日を大切に丁寧に生きて生きたいという方は、参考までにぜひ一読を。
シンプル族の価値観にきっと共感できるはず。
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